超音波の基礎原理を学ぼう!

超音波の反射

超音波診断において画像の作成には「超音波の反射」を利用している。「やまびこ」のように音波が反射して返って来る性質を利用していることから超音波診断を山彦を意味するエコー(:echo ギリシャ神話のナルキッソスの話に登場するニンフ・エコーが語源)とも呼んだりする。

パルス反射法

超音波は音響特性の異なる媒体間で反射するという特性があり、超音波診断装置Bモード表示では、反射の強弱を輝度変換して2次元にマッピング。画像を構築している。ドプラ法においてはパルスドプラ、カラードプラともに任意に指定した距離や範囲における血流をパルス反射法によってそれぞれFFT波形・カラー表示している。この時、距離分解能を得るためにバースト波という断続的に超音波を発信する方法を用いる。

パルス波

例えば山に向かって「ヤッホー」と叫び、その「やまびこ」が5秒後に返ってきたとしよう。すると、この時に音速と時間から自分と山との距離が計算で求められる。この場合は、340m/s × 5秒 = 1700mである。 往復を考えて2で除すと、山までの距離は 850m ということになる。

 

Bモード表示では、パルス反射法およびメカニカル方式または電子走査方式にて超音波ビームを送受信することにより2次元画像を得るわけである。また、ドプラ法も連続波ドプラ以外はパルス反射法を用いているため、この部分はしっかり理解しておきたいところである。


超音波パルス

医用超音波診断装置で用いられる超音波パルスの1秒間あたりの送受信回数を「パルス繰り返し周波数 PRF: Pulse Repetition Frequency」といい、時間分解能や視野深度、ドプラにおけるエイリアシング等に大きく影響を及ぼす。パルスの立ち上がりからピークパワーの半値点と立ち下がりの半値点との間の時間間隔をパルス幅といい、距離分解能を左右する。パルス幅をパルス周期で割ったものがデューティ比という。

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