ドップラー効果
ドップラー効果(ドップラーこうか)とは、波(音波や光波や電波など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な速度によって、波の周波数が異なって観測される現象のことをいう。波の発生源が近付く場合には波の振動が詰められて周波数が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて周波数は低くなる。
音についてのこの現象は古くから知られていたが、オーストリアの物理学者、クリスチャン・ドップラーが速度と周波数の間の数学的な関係式を1842年に見出し、オランダ人の化学者・気象学者であるクリストフ・バイス=バレット(Christophorus Buys-Ballot、1817年10月10日-1890年2月3日)が、1845年オランダのユトレヒトで、列車に乗ったトランペット奏者がGの音を吹き続け、それを絶対音感を持った音楽家が聞いて音程が変化する事で証明した。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(ドップラー効果の模式図)
ドプラ法の原理
超音波ドプラ法では、プローブ内の振動子で送受信した超音波周波数の偏移を解析し、カラー表示やパワー表示、スペクトラム表示等で画像化する。血行に対して真横から送受信した超音波反射信号に関してはドップラー効果が発生しないことから、できる限り平行に入射することが大切である。また実測値を求める場合、入射角を持って測定した速度は低く観測されるため、入射角度の補正が必要となる。
超音波診断におけるドプラ法は、その目的によりいくつかの種類がある。使用目的と、目的を達成するための方法選択が大切であり、そのためには、それぞれのドプラ法の原理や特性を理解しておくことが大切である。例えば、血流速度や一定時間の流量を知りたい場合にカラードプラを使用しても高い価値はなく、逆流の確認にパワードプラは全くではないがあまり意味をなさないという具合である。一方で正確な血流速度計測でのパルスドプラや連続波ドプラ、血流の有無と方向性を知る目的でのカラードプラ使用等は非常に有用な情報をもたらす機能といえる。ただし、そこには正しい原理の知識や装置の使い方が伴っていなければ、誤った結果を得てしまうこともあり得るということも言える。