超音波の基礎原理を学ぼう!

ハーモニックイメージング(harmonic imaging)

非線形効果とは?

 

一般的なBモード画像(harmonic imagingに対しfundamentalという)では、送信した周波数成分と同じ反射信号を使用して画像表示するが、音圧の高い部分では超音波波形に歪みを生じ、高調波成分が発生する。高調波を利用したイメージング方法には主にTHI(tissue harmonic imaging)と、CHI(contrast harmonic imaging)がある。

THI(tissue harmonic imaging)

THI(ティッシュハーモニックイメージング:tissue harmonic imaging)は、入射された超音波が生体内組織を伝搬するにつれて生じる非線形効果により生じる高調波成分を利用して画像を構成する技術である。

 

高調波は音圧の高い部分で発生しやすいことから、THIの技術を用いることにより分解能の向上やアーチファクトの低減が期待できる。

CHI(contrast harmonic imaging)

CHI(コントラストハーモニックイメージング:contrast harmonic imaging)は、超音波造影剤(一般的にはマイクロバブル)に対して入射された超音波に生じる非線形効果により発生する高調波信号を選択的に表示する方法である。

 

CHIは「コントラストエコー法」とも呼ばれ、超音波造影剤を使用することによってTHIに比し大量の高調波が発生するため、目的とする部位の感度向上や高調波信号強度の増強を狙ったものである。循環器領域や腫瘍に対して実施されるケースが多いが、様々な用途に利用効果が期待できる。

CHI

参考文献

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