超音波検査装置のしくみ
超音波検査装置
超音波検査装置は、超音波を発生・送信するとともに、生体内から反射した超音波(エコー)を受信する役割を持つプローブ(探触子)と、受信した信号やデータにさまざまな処理をする部分、そして画像を表示するディスプレイ部、外部機器との接続部に大分される。
プローブ(探触子)に関しては別ページにて詳しく述べるが、ここでは超音波診断装置のデータ処理部分とディスプレイ(表示)部について解説する。
【制御回路】
ここはその名のとおり、各回路やモニタ等をコントロールするための回路。近年デジタル化が進み、機能の拡張性や操作性の点からPCベースのものが多いようである。
【送受信回路】
送信回路では超音波パルスをつくるための電圧を発生させたり、送信フォーカスやオブリークスキャン、電子セクタスキャンを行うための遅延回路がある。また、受信回路には受信遅延回路、フィルタの他、GAINやSTC(TGC)、DRなどの機能を備える。
【ドプラ回路】
ドプラ回路はドプラ信号を処理するための回路である。カラードプラ(CWD、CDI)用の回路や、パルスドプラ(PWD)・連続波ドプラ(CWD)で必要なFFT解析を行うための回路。
【DSC(デジタルスキャンコンバータ)】
画像のメモリや各処理(リジェクション、ガンマ補正、グレースケール等)、またフリーズや信号の変換(A/D⇒D/A)などを行うための部分である。
【ディスプレイ(モニタ)】
CRTや液晶が多く用いられる。検査時にはブライトネスやコントラストの調整が必要である。
【記録装置】
サーマルプリンターやVCR(ビデオカセットレコーダー)が多く使われている。CD、MO、DVD等での記録やファイリングシステムを用いた記録も進んでいる。
【DICOM(digital imaging and communication in medicine)】
医療におけるデジタル画像機器を共通で接続するための規格を指す。医用画像のフォーマットと、それらの画像を扱う医用画像機器間の通信プロトコルを定義した標準規格のことである。
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